【船橋市の解決事例】高齢の親の預金凍結と相続人間の意向調整により、円滑な遺産分割を実現した事例
本件は、船橋市にお住まいの方からご相談いただいた相続・遺言手続きの解決事例です。
当事務所では、相続人調査や遺産分割書作成などの実務対応を通じて、円満な解決をサポートしました。
◆1 相談の背景 船橋市在住の50代長女Aさんから、「母が数年前に自筆証書遺言を残していたが、当時すでに認知症が進行していた可能性がある。弟Bが遺言に強く反発しており、このままでは遺産分割が進まない」と相談がありました。
遺言書には、主要財産である自宅不動産と預貯金の大半をAさんへ相続させる旨が記載されていました。しかし、遺言作成時期は、母が物忘れや判断能力の低下を原因に通院を始めた頃と重なっており、弟Bは「母が正常な判断で書いたとは思えない。無効だ」と主張。弁護士に相談する前段階として、まず専門家として状況整理と事実確認を依頼されました。
◆2 問題点の整理 本件における主要な争点は以下の3点でした。
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遺言作成時点での被相続人の“判断能力の有無”
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遺言内容が被相続人の真意に基づくものと言えるか
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相続人間の感情的対立が激しく、遺言執行に支障が生じている点
遺言が形式的に有効であっても、作成時に判断能力(遺言能力)がなかったと判断されれば、家庭裁判所で無効と判断される可能性があります。しかし、遺言能力の有無の判断は「医師の診断書」「作成前後の生活状況」「関係者の証言」など複数証拠を総合評価して行われます。
AさんもBさんも、母を大切に思っていた反面、長年の兄弟関係のすれ違いもあり、対立は激化しつつありました。このままでは家庭裁判所での遺言無効確認訴訟に進む可能性が高い状況でした。
◆3 当事務所が行った対応 当事務所では、実務的観点から以下の手順で“争族化の防止”を最優先に進めました。
●① 医療記録・介護記録・診察メモの時系列整理 Aさんの協力のもと、遺言作成前後1年分の通院記録・介護記録を取得し、日常生活動作(ADL)の変化を整理しました。その結果、軽度〜中等度の認知症であった可能性はあるものの、「遺言内容を理解し、意思を形成可能だった可能性も否定できない」状況が見えてきました。
●② 自筆証書遺言の保管制度の有無を確認 遺言は法務局保管制度利用ではなく、家庭内保管のため、形式の厳格性に不安は残るものの、筆跡や日付等に不備はなく、方式上の無効事由は見つかりませんでした。
●③ Bさんとの個別調整 弟Bさんにも中立的立場から説明し、「遺言無効を主張する場合の訴訟リスク」「無効となった場合の法定相続の具体的分配」「母の希望がどこにあったか」などを丁寧に整理。感情的反発だけで判断しないよう、法律的・実務的視点を共有しました。
●④ 柔軟な“代償金調整案”の提示 遺言通りにAさんが大半を取得するとBさんが強く不満を抱くため、Aさんに代償金(一定額の現金補填)を支払う案を提示。これにより、遺言の尊重とBさんの納得のバランスを図りました。
◆4 最終的な解決 調整の結果、双方が歩み寄り、次の内容で合意しました。
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遺言書は有効として扱う
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Aさんが自宅不動産を相続
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預貯金の一部をBさんへ多めに配分
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AさんがBさんへ代償金を支払う
これにより訴訟リスクは完全に回避でき、当初危惧されていた兄弟断絶の危機も回避されました。最終的には遺産分割協議書を作成し、登記まで円滑に完了しました。
◆5 専門家の視点からのポイント 本件は、「認知症が進行中の親が作成した遺言」が争点となりやすい典型例です。遺言無効を争う訴訟は時間も費用も大きく、家族関係が壊れるケースが多い中、医療記録の整理と心理面の調整を並行しながら進めたことが成功の要因でした。
今後の遺言作成では、公正証書遺言や法務局保管制度の利用が望ましく、特に認知症の兆候がある場合には“作成時の判断能力を証明する資料”を残すことが重要です。
本件は、当事務所の【相続手続フルサポート】内で対応しました。
費用の目安はこちらをご参照ください。
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