親の預金使い込みは違法?同居家族の通帳管理と説明義務の判断基準を解説
2025/12/09
親と同居している兄弟が「親の通帳を管理している」ケースは非常に多くあります。ところが、相続が始まると、「あの出金は何?」「使い込みでは?」というトラブルが頻発します。
「船橋市にお住まいの方からも、『同居している兄が親の通帳を離さない』
『介護費用だと言うが、金額が多すぎる気がする』といった切実なご相談をよくいただきます。」
本記事では、親の財産管理をしていた家族にどこまで説明責任があるのか、また使い込みの判断基準は何かを解説します。
■ 家族の通帳管理は「代理」「委任」にあたる
親の暗証番号を知っている
親名義の口座から子どもがATMでお金を引き出している
これは形式的には民法の「委任」(民法643条)や「代理行為」(民法99条)に該当します。
したがって、管理していた家族には
「説明義務」や「報告義務(民法645条)」が生じると考えられています。
■ どこまでが“正当な出金”か?
正当な領収書がある出金以外は、後で疑われる可能性が高くなります。
正当と認められやすい
介護サービス費
病院の支払い
食費や生活費の立替
光熱費の支払い
疑われやすい
子自身の生活費
子の車の購入費
多額の現金引出しが月単位で続く
ネット銀行への振替
■ 最高裁の考え方
最高裁平成16年10月29日判決では、
「家族間の金銭のやり取りでも、財産管理を任されていた者には一定の説明義務がある」
という判断が示されています。
つまり、「家族間だから記録はいらない」は通用しないということです。
■ 相続発生後の調査(銀行の取引履歴)
遺産分割協議が始まると、相続人は銀行に「取引履歴の開示」を請求できます(金融機関実務)。
取引を遡って確認すれば、
説明できない出金
現金引出しの過多
が明らかになる場合があり、「使い込み疑惑」の根拠になります。まずは、関係する戸籍等を集め金融機関に行く準備をしましょう。
■ 実務アドバイス
同居家族は「出金理由をメモ」しておくこと
月1回程度の簡易家計簿があるとトラブル防止に非常に有効
兄弟間の不信感は相続争いの最大要因
■不当な出金が判明したら
受け取った方へ不当利得返還請求ができます(民法703条)。ただしこの請求には消滅時効があり、請求ができる事を知ったときから5年、請求できる時から10年で請求ができなくなるので注意が必要です。
当事務所では、こうした預金の使い込み調査を含めた相続手続き全般をサポートしています。詳しいサービス内容や、私たちが大切にしている『円満な相続への想い』については、[こちらのトップページ]をご覧ください。
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つだぬま相続相談室 行政書士 江川二朗
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