相続した空き家に住んでいる兄弟が「無償で占有」しているとき ― 使用料請求は可能か?
2025/12/09
親が亡くなり実家を相続したとき、兄弟の一人がそのまま住み続けることがあります。
このとき、他の兄弟が「勝手に住んでいるなら使用料を払ってほしい」と主張するケースが非常に多いです。
本記事では、相続開始後に共有状態となった不動産の使用について、民法と判例から解説します。
■ 使用料は請求できるのか?
結論:
請求できる可能性が高い。ただし条件がある。
最高裁平成8年12月17日判決では、
「共有物を特定の共有者が単独で使用している場合、他の共有者は不当利得返還請求(民法703条)または損害賠償請求(民法709条)をする余地がある」
としています。
つまり、
無断で住み続けている
他の共有者と協議していない
場合、使用料相当額を請求できることが多いのです。
■ 使用料の相場
一般的には、
近隣賃料の50〜70%程度
が裁判所の実務で採用されることが多く見られます。
■ ただし例外もある
以下の場合、請求が認められにくいことがあります。
被相続人の生前、居住が許されていた
他の兄弟も同意していた
生前の介護など一定の事情があった
■ 実家を売却したい兄弟 vs 住み続けたい兄弟
典型的な相続トラブルです。
住み続けたい側は
持分買取(代償金)
共有物分割請求(民法256条)
売却したい側は
使用料請求
共有物分割の申し立て
といった手段を取ることになります。
■ 実務アドバイス
相続開始後、すぐに「使用条件」を話し合うこと
書面化するとトラブルを避けやすい
既に揉めている場合は家庭裁判所へ「調停申立て」を検討
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つだぬま相続相談室 行政書士 江川二朗
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