つだぬま相続相談室 行政書士 江川二朗

相続人の一人だけが実家に住み続けている”ケースの実務対応

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相続人の一人だけが実家に住み続けている”ケースの実務対応

相続人の一人だけが実家に住み続けている”ケースの実務対応

2025/12/01

— 兄弟間で不公平感が募る典型例と解決のポイント

相続の相談で非常に多いのが、**「亡くなった親の自宅に、兄弟のうち1人が住み続けている」**というケースです。
これは珍しい事例ではありませんが、トラブル発生率は極めて高い典型パターンです。特に、住んでいる側と住んでいない側で「公平・不公平」の捉え方がズレるため、放置すると数年〜10年以上にわたって紛争化することもあります。

本稿では実務で頻繁に遭遇するポイントに踏み込みながら、相談者が実際に動けるレベルまで具体的に解説します。

1.よくある状況:同居していた長男がそのまま居住しているが、名義は親のまま放置

典型的な相談内容は次のようなものです。

● 事例イメージ

亡父名義の持ち家

生前は長男が同居していた

父の死亡後も長男はそのまま無償で居住

次男・長女は独立しており別世帯

遺産分割協議は何もしていない

固定資産税は長男が支払っている

長男は「この家は自分が世話をしてきたから当然自分のものだ」と主張

他の兄弟は「生前贈与を受けていないから平等に分けたい」と反発

この状況は、実務ではよく見られる相続の先送りにより生じる典型例です。
重要なのは、遺産分割が済んでいない限り、家は相続人全員の共有状態であるという点です。

つまり、

住んでいる長男も一部の権利はある

住んでいない兄弟にも平等な権利がある
という曖昧な状態が続くことになります。

このまま放置すると、10年後・20年後には「兄弟の死亡」「相続人の更なる増加」によって収拾不能になるのが実務の現実です。

2.住み続けている長男に“賃料相当額”を請求できるのか?

兄弟側からよく出る質問が、
「兄が住み続けているのは不公平。賃貸料を請求できますか?」
というものです。

結論としては、状況によりますが、実務では次のように整理されます。

● 法律論:共有状態での使用は一定の許容がある

不動産が共有状態にある場合、共有者の一人が使用しても、

他の共有者の同意があれば問題なし

同意がなくても、直ちに不法占拠にはならない
というのが判例の流れです。

ただし、他の共有者との関係で
「長期間の単独使用」「他の相続人の利用排除」
がある場合には、賃料相当額の請求が認められる可能性もあるというのが実務です。

● 実務で多い結論

過去分の賃料相当額は争いが多く、現実的ではない

将来に向けた「使用料」を定める形で合意するケースが多い

または、家を長男が取得する代わりに代償金を支払う形で解決するのが一般的

つまり、
“金銭調整で折り合いをつける”のがもっとも現実的な着地点です。

3.最適解は「代償分割」または「売却・現金化」

兄弟間で感情的に対立したときに最もスムーズに終わるのは、
次のいずれかの方法です。

(1)長男が家を取得し、兄弟へ“代償金”を支払う

最も多い解決パターンです。

不動産評価額 - 負担する固定資産税等の調整額
などを基に他の兄弟の相続分を買い取る形となります。

(2)家を売却し、売却益を等分する

兄弟全員が納得しやすい方法ですが、

長男が住み続けたい場合は反対

古い家で売値が低い
などの実務的な問題が生じることもあります。

(3)共有のまま放置するのは最悪の選択

共有のまま放置すると

売却したくても同意が必要

長男が亡くなるとその子どもが共有者に

相続人が10人以上に膨れ上がる
など、後年に深刻な揉め事を引き起こします。

実務経験上、
“動くなら今すぐ”
これが鉄則です。

4.実際の相談事例:兄弟間の対立が深刻化したケース

つだぬま相続相談室に寄せられる典型パターンを元に、匿名加工した事例を紹介します。

■ 相談者:次男(50代)

父が亡くなり3年。兄は父の家に住み続け、遺産分割の話になると
「俺が親の面倒を見てきた」「家の修繕も出してきた」
と言って取り合ってくれない。

次男と長女は「せめて公平に分けたい」と主張し、兄は「家は渡せない、金も払えない」と言い張るため話が進まない。

■ 当事務所で行った対応

不動産評価額(路線価・固定資産税評価など)を算出

過去の修繕費について兄から資料を受領

両者にとって無理のない代償金額を計算

将来の維持費(固定資産税・管理費)も含めて説明

全員で合意できる範囲で分割協議を調整

代償金方式での遺産分割案を作成

名義変更(相続登記)までワンストップで対応

■ 解決

兄が家を取得し、次男・長女に対し適正額の代償金を支払うことで合意。
兄弟関係も損なわず、最も円満な解決となりました。

5.“住んでいる長男の主張”と“他の兄弟の主張”の溝をどう埋めるか?

話が前に進まない最大の原因は、
**「双方の価値観のズレ」**です。

◎ 長男側の主張(典型)

親の面倒を見てきた

修繕費を負担してきた

家を離れるのは生活が困る

自分が当然相続するべき

◎ 他の兄弟側の主張(典型)

自分も相続分はある

無償で住み続けるのは不公平

正当な取り分を受け取りたい

名義が親のままだと自分たちの将来にも影響する

これらの溝を埋めるには、
感情論ではなく“数字”で整理することが最も効果的です。

不動産の評価額

過去の修繕費

固定資産税等の負担

将来の維持費

等分した場合の金額

代償金の額

住み続ける合理性

数字を明確に示すことで「納得感」が生まれ、感情論が減少します。
実務ではこれが最も重要なポイントです。

6.つだぬま相続相談室での実務サポートの流れ

本ケースのような典型事例では、当事務所では次のように進行します。

初回無料相談
 状況整理と不動産の概要確認

不動産評価・分割方法の提示
 評価方法を複数示し、偏りのない提示を行う

兄弟間の意見調整
 専門職を介すことで感情的対立を緩和

遺産分割協議書の作成
 税務上問題のない内容で整備

相続登記まで代行
 一度の相談で最後まで完結

7.まとめ:早い段階で専門家に仲介させることが“最も安く・最も早く・最も穏当”

「兄が住み続けている家の相続問題」は珍しくありません。
しかしその一方で、放置すればするほど深刻化する代表的なケースでもあります。

本件は、

長男の生活

他の兄弟の公平性

不動産の価値
これらが複雑に絡み合うため、専門家による客観的な数字・合理的な調整が極めて効果的です。

「実家問題」でお困りの場合は、つだぬま相続相談室にご相談ください。
兄弟間の調整から手続き完了まで、負担の少ない形で進めていきます。

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つだぬま相続相談室 行政書士 江川二朗
千葉県習志野市津田沼1-13-24-205
電話番号 : 047-406-5995


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