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相続財産としての「ペット」――未踏の相続ニッチと実務対応

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相続財産としての「ペット」――未踏の相続ニッチと実務対応

相続財産としての「ペット」――未踏の相続ニッチと実務対応

2025/11/25

近年、家族同様に大切にされるペットが増える一方で、ペットに関する相続問題は、法律上の財産ではないため扱いが難しい領域です。行政書士や弁護士でも、まだ十分に対応が整っていないニッチな分野として注目されます。本記事では、ペットの相続に関する実務上の課題と解決策を、具体事例を交えて解説します。

 

1. ペットの相続は法律上どう扱われるか

現行民法上、ペットは物(財産)として扱われます。つまり、犬や猫などの動物自体には相続権はありません。しかし、ペットの飼育や維持に必要な費用、管理契約、将来のケアなどを「財産的価値」として取り扱うことができます。

そのため、遺言や信託を活用して、ペットの生活を守る方法が実務上注目されています。

 

2. 実務での課題

事例1:遺言にペットの指定がない場合

東京都内在住のAさんは、老犬を飼育していましたが、遺言では財産分割のみを記載していました。死亡後、相続人間で「犬の飼育は誰がするか」という争いが発生。長男は住居が狭く飼育不可、次女はアレルギーで受け入れ困難という事情があり、結局親族で合意形成が難航しました。

このケースでは、ペットの生活を守るための財産管理方法や飼育者の指定が事前に文書化されていれば、紛争は回避できた可能性があります。

事例2:信託を利用したペットケア

千葉県習志野市在住のB家では、猫を含む多頭飼育家庭でした。オーナーの死亡後、ペットの飼育費用や医療費を信託として確保する方法を採用。信託契約により、指定された受託者が猫の生活費と医療費を管理し、生活を保証しました。結果として、相続人間での争いは発生せず、猫も安定した生活を維持できました。

 

3. 実務対応のポイント

遺言で飼育者と費用負担を明確化
ペットを誰が飼育するか、飼育に必要な費用を誰が負担するかを明記することで、相続発生後のトラブルを防ぎます。

信託の活用
ペット信託は、信託契約によりペットの生活費や医療費を確保できる制度です。受託者を指定して管理することで、相続人の負担や争いを回避できます。信託契約書は公証人を介すことで信頼性を高めることが可能です。

保険・基金の利用
ペットの医療費や生活費を補う保険や基金も、相続計画の一部として活用できます。特に高齢ペットの場合、予想される医療費を見積もることで必要資金を準備できます。

文書化と専門家の関与
遺言や信託の作成は、行政書士・弁護士・税理士などの専門家と協力して行うことで、法的な安全性を確保できます。また、飼育者や相続人間の合意内容も文書で残すことで、争いを未然に防ぐことができます。

 

4. 実務上のニッチポイント

他の士業が扱いにくい領域
ペット信託や遺言におけるペット指定は、まだ全国的に認知度が低く、一般の士業では対応が少ない分野です。

当事務所が未対応だったテーマ
ペットを財産管理の対象として組み込む事例は、相続相談の中で依然少数。これを扱うことで、地域ニーズに応えつつ差別化が可能です。

実務上の柔軟性が求められる
ペットの種類や数、飼育環境によって最適な対応は異なるため、個別相談ベースの柔軟なサポートが重要です。

 

5. まとめ

ペットの相続は、法律上の財産とは異なる特殊性があります。しかし、遺言や信託、保険を活用することで、ペットの生活を守りつつ相続人間のトラブルを回避することが可能です。実務上は以下が重要なポイントです。

 

飼育者と費用負担を明確化する

ペット信託を活用して資金を確保する

文書化と専門家の関与で安全性を確保する

今後、ペットの高齢化や家族構成の多様化に伴い、このニッチ分野の需要は増加が見込まれます。行政書士としても、他の士業が扱わない領域で、地域の相続相談ニーズに応える新しいサービスとして提供可能です。

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つだぬま相続相談室 行政書士 江川二朗
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