相続財産調査の盲点「名寄帳」による不動産発見の実務
2025/11/27
相続財産調査の盲点「名寄帳」による不動産発見の実務
不動産相続で最初に直面する課題
相続手続きでまず直面するのが「亡くなった方がどの不動産を所有していたか不明」という問題です。固定資産税の納税通知書や登記簿があれば確認できますが、長年放置された財産や田舎の土地、使われていない建物などは書類が散逸しており、相続人だけでは把握できません。
たとえば、船橋市在住のAさんが亡くなった場合、市内だけでなく隣接自治体にも宅地を所有していたことが後から判明しました。納税通知書が手元に無かったため、長男は市役所で名寄帳を取得したところ未登記の土地が2箇所見つかり、相続財産に含める必要がありました。
名寄帳とは何か
名寄帳は市区町村が課税対象者ごとに保有する土地・家屋を一覧化した台帳です。固定資産税の課税対象となる不動産を把握でき、調査漏れを防ぐために不可欠です。名寄帳を見ることで、見落としていた土地や建物、共有持分まで確認可能です。
名寄帳を活用する際の注意点
名寄帳はその自治体内の不動産しか反映されません。複数自治体に所有している場合、すべての自治体から取得する必要があります。また、未登記建物や借地権、農地などは完全に反映されないケースもあります。
実例として、千葉県内に複数の宅地を持っていたBさんの相続では、名寄帳取得後に農地が1箇所未登記で残っていることが判明しました。この農地は固定資産税課税台帳にも反映されていなかったため、名寄帳取得が決め手となりました。
複数自治体・未登記物件の扱い
農地や山林は農業委員会の台帳や地籍図と照合する必要があります。当事務所では、固定資産課税台帳・名寄帳・公図・都市計画図を組み合わせ、漏れのない財産把握を徹底しています。
実例では、Cさんの祖父が過去に相続した空き家付き土地が隣町にあり、相続人は存在すら知らなかったケースがあります。名寄帳と都市計画図を確認することで発見でき、遺産分割に含めることができました。
財産調査で失敗しないためのチェックリスト
- 全自治体の固定資産課税台帳・名寄帳の確認
- 共有持分・未登記建物の確認
- 農地や借地権など特殊財産の調査
- 過去の納税通知書・登記簿謄本の確認
- 相続人へのヒアリングで隠れた財産を特定
まとめ
相続で最初に失敗するのは「財産の見落とし」です。正確な財産調査がスムーズな遺産分割の第一歩になります。詳細は「不動産名義変更で失敗しないためのチェックリスト」(https://tsudanuma-souzoku.jp/blog/column/detail/20240722060004)をご覧ください。
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つだぬま相続相談室 行政書士 江川二朗
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