認知症発症後の相続・財産管理――早期対策で家族トラブルを防ぐ
2025/11/22
相続の相談では、多くの場合「遺言書」「相続税」「不動産の分割」「生前贈与」といったテーマが中心です。
しかし近年、津田沼・船橋・習志野エリアでは、高齢者が認知症を発症した後の相続・財産管理問題が増加しています。
認知症の進行により判断能力が低下すると、財産管理や遺産分割が非常に複雑化し、家族間のトラブルも深刻化します。
この記事では、認知症発症後の相続問題に焦点をあて、注意点や解決策をわかりやすく解説します。
■認知症発症後に直面する「相続の難題」
高齢化が進む日本では、相続が発生する時点で被相続人(財産を残す方)が認知症になっているケースが少なくありません。
認知症発症後の財産管理でよく問題になるのは以下です。
- 遺言書作成の可否
- 預貯金の管理・引き出し制限
- 不動産の売却・名義変更
- 親族間のトラブルや疑念
- 成年後見制度の利用判断
①遺言書作成が難しくなる
遺言書は被相続人の自由意思に基づくものですが、判断能力が十分でない状態では法的効力が認められません。
具体的には以下の状態だと問題になります。
- 誰にどの財産を渡すか判断できない
- 財産の範囲や価値を理解できない
- 判断に一貫性がない
認知症が軽度であれば、公証役場での公正証書遺言作成も可能ですが、進行が進むと作成自体が不可能になり、法定相続に頼るしかなくなります。
②預貯金・金融資産の管理
認知症の発症後、銀行口座の操作ができなくなるケースは多いです。
問題となるのは次の点です。
- 引き出し・振込制限:銀行は本人確認が困難な場合、取引を停止する
- 家族間の資金トラブル:介護費用や生活費の支払いで、誰が管理するか争いになる
- 詐欺リスク:判断力低下により悪徳業者や訪問販売に騙されるケースも増加
③不動産の管理・処分
高齢者が認知症になると、不動産の売却や名義変更も簡単にはできません。
- 売却契約には本人の同意が必要
- 相続人全員の合意も必要な場合がある
- 成年後見人制度を活用することで管理や処分が可能になる
放置すると、空き家化や税金滞納、近隣トラブルに発展するリスクがあります。
④親族間トラブル
認知症が原因で、家族間のトラブルが発生しやすくなります。
- 「介護費用の負担割合」
- 「どの子が財産管理するか」
- 「財産の使い込み疑惑」
こうした心理的負担や疑念は、相続が発生した際の遺産分割争いに直結します。
■成年後見制度とは?
認知症発症後の財産管理を法的に整える制度として、成年後見制度があります。
- 家庭裁判所が本人に代わって財産管理や契約を行う後見人を選任
- 財産の管理や生活費支出、介護契約などを合法的に代理可能
- 相続争いを未然に防ぎ、家族間トラブルを回避
成年後見制度は、親族が後見人となるケースもありますが、専門家(司法書士・行政書士・弁護士)が後見人になることも可能です。
■早めの準備が重要
認知症発症後では、判断能力が低下してからでは遺言書作成や財産処分が困難になるため、早めの準備が鍵です。
推奨される対策
- 早期に遺言書を作成
判断能力が十分なうちに公正証書遺言を作ることで、将来のトラブルを防げます。 - 生前の財産管理計画
認知症発症前に資産整理や名義変更、信託などの方法を検討 - 成年後見制度や家族信託の検討
介護や資産管理が必要になった場合、専門家を代理に立てることで安全に管理可能 - 家族間での事前合意
認知症になった際の財産管理方針や介護費用負担を、できるだけ文書で残す
■津田沼・船橋で増えている相談事例
- 70代の父が軽度認知症。銀行口座が扱えず生活費不足。成年後見制度で解決
- 80代母が認知症になり、不動産を売却できないため介護費用確保が困難。家族信託で管理権を確保
- 遺言書作成前に認知症が進行し、子ども同士で争いが発生しそうになったケースを事前に調整
これらはすべて、判断能力があるうちに準備しておけば防げたトラブルです。
■まとめ
認知症発症後の相続・財産管理は、従来の「遺言」「空き家」「生前贈与」とは異なる複雑さがあります。
- 遺言書作成が難しくなる
- 預貯金や不動産の管理が困難になる
- 家族間トラブルが起こりやすい
- 成年後見制度や家族信託が有効な解決策
津田沼・船橋・習志野地域でも、認知症高齢者の増加に伴い、この問題は急増しています。
早期に専門家に相談し、判断能力があるうちに計画的に準備することが、家族全員にとって最も安全な相続対策となります。
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つだぬま相続相談室 行政書士 江川二朗
千葉県習志野市津田沼1-13-24-205
電話番号 : 047-406-5995
習志野市を拠点に遺産分割の提案
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