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海外資産を持つ被相続人の相続と国内手続き上の特殊問題

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海外資産を持つ被相続人の相続と国内手続き上の特殊問題

海外資産を持つ被相続人の相続と国内手続き上の特殊問題

2025/11/26

日本に居住している方でも、近年は海外不動産や海外銀行口座を保有する高齢者が増えています。これに伴い、相続が発生した際の手続きは、単に日本国内の遺産分割や登記だけでなく、海外の法制度・金融機関との調整が必要となり、非常に専門性が高い分野となります。

本記事では、海外資産を持つ被相続人の相続で生じる国内手続き上の特殊問題を徹底解説します。行政書士が関与することでどのように手続きがスムーズに進むかも紹介します。

 


1. 海外資産相続の基本的課題

1-1. 海外資産の種類

  • 海外銀行口座
  • 海外不動産(住宅、商業用、土地など)
  • 海外証券・投資信託
  • 海外法人株式や出資持分

1-2. 海外資産の相続で注意すべき点

  • 各国の法制度が異なるため、日本法だけでは処理できない
  • 銀行口座の凍結や現地登記の凍結リスク
  • 相続人が複数国に分かれている場合の権利主張や文書取得の困難さ

事例:被相続人が米国に不動産を所有していたが、遺言が日本でのみ作成されていたため、現地での相続登記に不備が生じ、権利移転に半年以上かかったケースがあります。

 


2. 国内手続きとの接続ポイント

2-1. 遺産分割協議

  • 海外資産も含めて日本国内で協議書を作成
  • 協議書に現地法の影響を考慮した条項を追加
  • 日本で作成した協議書を翻訳・認証して海外金融機関や登記所に提出

2-2. 国内相続手続き

  • 日本国内の銀行口座凍結解除
  • 国内不動産登記の名義変更
  • 相続税申告で海外資産を含める必要あり

事例:被相続人がドイツに預金口座を持っていた場合、日本国内で相続人が取得した遺産分割協議書を現地で認証・翻訳しないと、口座の解約や資金移動ができません。

 


3. 海外資産の特殊な実務課題

3-1. 現地の法制度との調整

  • 国によっては相続税・登記制度が日本と異なる
  • 遺言の効力が現地で認められない場合がある
  • 法定相続人の範囲や権利も異なる

3-2. 文書取得の難易度

  • 戸籍・住民票以外に、現地の相続関連書類が必要
  • 公証人役場や裁判所発行書類の取得が数週間~数か月かかる
  • 文書翻訳や認証も必要

3-3. 銀行口座・証券処理の問題

  • 凍結解除には、現地での相続人特定書類が必要
  • 代理人としての日本側行政書士の関与は限定的で、現地弁護士や公証人との連携が不可欠
  • 口座解約・資金送金の際、相続人間の合意が文書化されていることが前提
  •  

4. 行政書士の関与ポイント

4-1. 国内手続きの整理

  • 遺産分割協議書の作成
  • 相続人の戸籍・住民票収集
  • 国内財産と海外資産を一覧化し、相続分配シミュレーション

4-2. 海外資産との橋渡し

  • 海外弁護士や現地公証人との連携窓口
  • 協議書や証明書の翻訳・認証案内
  • 現地資産の権利移転や口座凍結解除のサポート

4-3. 税務・報告対応

  • 相続税申告への海外資産反映
  • 現地税制や二重課税回避策の整理
  • 国税庁・地方税務署対応のサポート
  •  

5. 実務事例

5-1. 米国不動産の相続

  • 遺言は日本で作成、現地では効力不明
  • 協議書作成後、現地で認証・登記申請
  • 相続税申告で日本・米国双方の税務整理

5-2. フランス預金口座

  • 海外口座凍結中
  • 日本側で協議書作成、現地銀行に提出
  • 公証人による認証と翻訳手続きで資金移動完了

5-3. 海外法人株式

  • 被相続人が海外法人株式を保有
  • 日本側で株主変更手続きを協議書と共に現地提出
  • 行政書士が書類整理・翻訳・送付の手続きを支援
  •  

6. 注意すべき落とし穴

  • 遺言書が日本国内で有効でも、現地では無効となる場合がある
  • 放置すると口座凍結や登記不動の状態が長期化
  • 相続人が複数国に分かれていると、協議や署名収集に時間がかかる
  • 二重課税リスクが存在する
  •  

7. 事前対応策

  • 海外資産の所在と種類を把握
  • 日本側と現地の必要書類を整理
  • 遺言や信託で現地手続きの指示を明示
  • 行政書士と現地弁護士の連携ルートを確保
  •  

8. Q&A形式で解説

Q1. 日本で遺言書を作成すれば海外資産も問題ない?

  • 国による。現地法の確認が必要

Q2. 海外口座凍結中に相続税申告はできる?

  • 財産評価は可能だが、資金移動は口座凍結解除後

Q3. 複数国に分かれた相続人の署名はどうする?

  • 公証人認証や電子署名、翻訳を利用して合意文書化
  •  

9. まとめ

海外資産を持つ被相続人の相続は、国内手続きだけでは完結せず、現地法、金融機関手続き、翻訳・認証、税務対応など非常に高度な専門知識が必要です。行政書士が関与することで、国内手続きの整理、海外資産との橋渡し、書類作成・翻訳・認証のサポートが可能になります。

 

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つだぬま相続相談室 行政書士 江川二朗
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電話番号 : 047-406-5995


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